キノロン系抗菌薬と金属カチオンとの相互作用は処方監査の重要ポイント。高カリウム血症治療薬のビルタサから放出されるカルシウムイオンがキレート形成により抗菌薬の吸収を低下させる機序を理解しよう。
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📧 内容についてお問い合わせ70歳男性。慢性腎臓病(CKD stage 4)で血清カリウム値6.2 mEq/Lのため、高カリウム血症治療薬を服用中。今回、尿路感染症に対してレボフロキサシン500mg 1日1回が処方されました。
処方内容:
・レボフロキサシン錠500mg 1錠 1日1回朝食後 5日分
現在服用中の高カリウム血症治療薬のうち、レボフロキサシンと同時服用すると吸収が低下するため、服用間隔を3時間以上空ける必要がある薬剤はどれでしょうか?
細菌のDNAジャイレース(II型トポイソメラーゼ)およびトポイソメラーゼIVを阻害し、DNA複製・転写・修復・組換えを妨げることで殺菌作用を示す。
パチロマーソルビテクスカルシウムは非吸収性のカリウム結合性ポリマー。消化管内でカリウムイオンとカルシウムイオンの交換反応により、カリウムを結合し糞便中に排泄。血清カリウム値を低下させる。
キノロン系薬剤の3位カルボン酸基(-COOH)と4位カルボニル基(C=O)が金属イオン(Ca²⁺、Mg²⁺、Al³⁺、Fe²⁺/³⁺)と配位結合し、難溶性の錯体を形成。この錯体は消化管から吸収されにくく、バイオアベイラビリティが著しく低下する。
通常成人:1回500mg、1日1回経口投与
腎機能低下時(Ccr 20-49 mL/min):初日500mg、2日目以降250mg 1日1回
通常成人:開始用量1回5.1g(パチロマーソルビテクスカルシウムとして5g)を1日3回
最高用量:1回10.2g(同10g)を1日3回
血清カリウム値、患者の状態により適宜増減
主な副作用(1-5%):
重大な副作用(頻度不明):
主な副作用(5%以上):
重大な副作用:
薬剤 | 影響 | 対策 |
---|---|---|
金属カチオン含有製剤 | キレート形成により吸収低下 | 2-3時間以上間隔 |
NSAIDs | 痙攣リスク上昇 | 慎重投与 |
ワルファリン | 抗凝固作用増強 | PT-INRモニタリング |
薬剤 | 影響 | 対策 |
---|---|---|
キノロン系抗菌薬 | 抗菌薬の吸収低下 | 3時間以上間隔 |
メトホルミン | メトホルミンの吸収低下 | 3時間以上間隔 |
レボチロキシン | 甲状腺ホルモンの吸収低下 | 4時間以上間隔 |
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※ 重要な注意事項
本クイズは教育目的で作成されています。実際の診療・調剤には必ず最新の添付文書をご確認ください。
最終確認日:2025/8/25
監修:濱本 幸広 (薬剤師(京都薬科大学卒))