レボドパ・カルビドパ配合剤ネオドパストンの長期使用に伴うウェアリングオフ現象の機序、対処法、服薬指導のポイントについて、実臨床で必要な中級レベルの知識を問うクイズです。
クイズの内容に問題がある場合や、改善のご提案がございましたら、お気軽にお知らせください。
📧 内容についてお問い合わせ68歳男性。パーキンソン病と診断されて5年。ネオドパストン配合錠L100を1回2錠、1日3回(朝・昼・夕食後)服用中。最近、「薬を飲んでから次の薬を飲むまでの間に、だんだん体が動きにくくなってきた。特に昼の薬を飲む前の11時頃と、夕方5時頃がつらい」と相談があった。
診察記録によると、朝の服薬後2-3時間は良好に動けるが、次の服薬時間が近づくと症状が悪化する傾向がある。医師からは「ウェアリングオフ現象が出始めているようだ」と説明を受けている。
この患者への薬剤師としての服薬指導について、最も適切な内容はどれですか?
本剤はレボドパとカルビドパの配合剤であり、パーキンソン病およびパーキンソン症候群の治療に用いられます。
以下の疾患に伴うパーキンソニズムにも適応:
ただし、薬剤性パーキンソニズムの原因薬剤を服用中の場合は、原因薬剤の中止または減量を優先すること。
ネオドパストンは、レボドパとカルビドパの配合により、効率的にドパミンを補充する薬剤です。
効果 | レボドパ単独 | レボドパ・カルビドパ配合 |
---|---|---|
必要投与量 | 3-8g/日 | 0.5-1.5g/日 |
末梢性副作用 | 高頻度(70-80%) | 低頻度(20-30%) |
効果発現 | 遅い(2-3週間) | 速い(数日-1週間) |
脳内移行率 | 約1% | 約5-10% |
パーキンソン病では黒質線条体ドパミン神経が変性・脱落し、線条体でのドパミンが不足します。本剤は:
疾患の進行とともに:
通常成人は、レボドパ量として1回100〜125mg、1日100〜300mg経口投与よりはじめ、2〜3日毎に1日量として100〜125mg宛増量し、最適投与量を定め維持量とする(標準維持量はレボドパ量として1回200〜250mg、1日3回)。
症状により適宜増減するが、レボドパ量として1日1,500mgを超えないこととする。
レボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、レボドパ1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回量を決める。
レボドパ単独 | ネオドパストン(レボドパ量) |
---|---|
3g/日 | 600mg/日 |
4g/日 | 800mg/日 |
5g/日 | 1000mg/日 |
製剤 | レボドパ | カルビドパ | 使い分け |
---|---|---|---|
L100 | 100mg | 10mg | 細かな用量調整時 |
L250 | 100mg | 25mg | カルビドパ高用量必要時 |
※カルビドパは1日70mg以上で十分な末梢脱炭酸酵素阻害効果を示す
次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること
非選択的MAO阻害剤(原則禁忌)
選択的MAO-B阻害剤(併用注意)
高齢者では以下の点に注意:
検査項目 | 頻度 | 注意点 |
---|---|---|
肝機能検査 | 3-6ヶ月毎 | AST、ALT上昇に注意 |
腎機能検査 | 6ヶ月毎 | 特に高齢者、全身性硬化症 |
血液検査 | 3-6ヶ月毎 | 溶血性貧血、白血球減少 |
眼圧測定 | 6-12ヶ月毎 | 緑内障患者 |
分類 | 5%以上 | 0.1〜5%未満 | 頻度不明 |
---|---|---|---|
精神神経系 | ジスキネジア、不随意運動 | めまい、頭痛、不眠、不安感 | 病的賭博、病的性欲亢進、ドパミン調節障害症候群 |
消化器 | 悪心(20.9%) | 嘔吐、食欲不振、便秘、下痢 | 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の悪化 |
循環器 | - | 起立性低血圧、動悸 | 不整脈 |
過敏症 | - | 発疹 | 血管浮腫、蕁麻疹、瘙痒感 |
その他 | - | 口渇、排尿困難 | 唾液・痰・尿・便等の変色(黒色等) |
副作用 | 対応 |
---|---|
ジスキネジア | レボドパ減量、分割投与、アマンタジン追加 |
幻覚・妄想 | 減量、非定型抗精神病薬(クエチアピン等) |
悪心・嘔吐 | ドンペリドン併用、食後投与、徐々に増量 |
起立性低血圧 | ゆっくり立ち上がる指導、弾性ストッキング |
該当なし(ただし、非選択的MAO阻害剤は原則禁忌)
薬剤名 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
---|---|---|
選択的MAO-B阻害剤 | レボドパの作用が増強される | ドパミンの代謝が阻害される |
血圧降下剤 | 血圧降下作用が増強される | 相加的に血圧降下作用が増強 |
抗精神病薬 | レボドパの作用が減弱される | ドパミン受容体遮断作用による |
NMDA受容体拮抗剤 | ジスキネジア、幻覚等の副作用増強 | ドパミン遊離促進作用の相加 |
イソニアジド | レボドパの作用が減弱される | ドパ脱炭酸酵素阻害作用の減弱 |
鉄剤 | レボドパの作用が減弱される | キレートを形成し吸収が低下 |
食品・栄養素 | 影響 | 対策 |
---|---|---|
高蛋白食 | レボドパ吸収低下 | 服薬と食事の時間をずらす |
ビタミンB6(大量) | 末梢での代謝促進 | カルビドパ配合により影響軽減 |
鉄分を含む食品 | キレート形成で吸収低下 | 2時間以上間隔をあける |
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※ 重要な注意事項
本クイズは教育目的で作成されています。実際の診療・調剤には必ず最新の添付文書をご確認ください。
最終確認日:2025/1/28