薬剤師の面接で使える逆質問26選!調剤薬局転職の成功ポイント
薬剤師の調剤薬局面接で差をつける逆質問26選を紹介。採用担当者が評価する質問例から避けるべきNG例まで実例付きで解説。転職成功率を上げる面接対策の決定版

逆質問が転職成功のカギを握る理由
「何か質問はありますか?」
面接の最後に必ず聞かれるこの質問。多くの薬剤師が「特にありません」と答えがちです。しかし、実はこの逆質問こそが転職成功の明暗を分ける重要な分岐点なのです。
実際の成功事例から見る逆質問の威力
29歳の田中さん(仮名)は、大手チェーン薬局から地域密着型薬局への転職を希望していました。書類選考は順調に通るものの、最終面接で3社連続で不採用という苦い経験を重ねていました。
転機が訪れたのは、転職エージェントから「逆質問の準備が不十分では?」と指摘されたときでした。それまでの田中さんは「給料や休日について聞くのは失礼」と思い込み、当たり障りのない質問しかしていませんでした。
しかし、4社目の面接では戦略を変更。事前に企業研究を徹底し、以下のような質問を準備しました:
「御社の在宅医療への取り組みについて詳しく教えてください。特に、薬剤師として患者様の在宅での薬物療法にどのように関われるのでしょうか?」
この質問により、面接官は田中さんの在宅医療への関心の高さと専門性への意欲を感じ取りました。さらに、「入社までに勉強しておくべき分野があれば教えてください」という質問で、学習意欲をアピール。結果として、見事内定を獲得しました。
面接官が逆質問で見ているポイント
調剤薬局の採用担当者へのインタビューでは、逆質問において以下の要素を重視するとのことです:
- 仕事への関心度:業務内容や専門性に関する質問で、薬剤師としての向上心を測る
- 企業理解度:事前の企業研究の深さと、本気度を確認する
- コミュニケーション能力:質問の仕方から、患者対応能力を推測する
- 将来性:長期的なキャリアビジョンと会社への貢献意欲を見る
元大手チェーン薬局の人事部長は次のように語っています:「逆質問で『特にありません』と言われると、この人は本当にうちで働きたいのか疑問に思います。一方で、具体的で深い質問をする候補者は、入社後も積極的に業務に取り組んでくれると期待できます」
このように、逆質問は単なる形式的なやり取りではなく、あなたの薬剤師としての価値観や意欲を伝える絶好の機会なのです。
調剤薬局面接で使える逆質問26選
【業務内容・専門性】に関する逆質問(4問)
1. 「1日の業務の流れと、薬剤師が担当する具体的な業務について教えてください」
質問の意図:実際の働き方をイメージし、ギャップを防ぐ
効果:現実的な転職理由があることを示せる
使用場面:初回面接で業務内容が詳しく説明されなかった場合
2. 「かかりつけ薬剤師制度の推進状況と、来局される患者様の特徴について教えてください」
質問の意図:地域医療への理解と患者対応への関心をアピール
効果:薬剤師の専門性への意識の高さを示せる
使用場面:地域密着型薬局の面接で特に有効
3. 「在宅医療への取り組みと、薬剤師の関わり方について詳しく教えてください」
質問の意図:将来性のある業務への関心と学習意欲を示す
効果:時代のニーズを理解していることをアピール
使用場面:在宅医療に力を入れている薬局で有効
4. 「調剤以外に、薬剤師が担当する業務(薬歴管理、服薬指導など)の比重を教えてください」
質問の意図:薬剤師業務への理解度と専門性への関心を示す
効果:調剤だけでなく、薬剤師としての総合的なスキルを重視していることをアピール
使用場面:幅広い薬剤師業務を経験したい場合
【職場環境・人間関係】に関する逆質問(4問)
5. 「薬剤師の年齢構成と、チームワークを大切にしている取り組みがあれば教えてください」
質問の意図:職場の雰囲気と人間関係への関心を示す
効果:協調性があることをアピール
使用場面:人間関係を重視する転職理由がある場合
6. 「新人薬剤師へのサポート体制やメンター制度について教えてください」
質問の意図:成長意欲と謙虚さを示す
効果:継続的な学習姿勢があることをアピール
使用場面:経験が浅い、または新しい分野にチャレンジする場合
7. 「スタッフ同士のコミュニケーションで心がけていることはありますか?」
質問の意図:チームワークの重要性を理解していることを示す
効果:協調性と職場への適応能力をアピール
使用場面:職場の雰囲気を重視する場合
8. 「薬剤師と事務スタッフの連携について、どのような工夫をされていますか?」
質問の意図:多職種連携への理解を示す
効果:チーム医療への意識の高さをアピール
使用場面:大規模薬局や総合的な医療サービスを提供する薬局で有効
【キャリア・成長機会】に関する逆質問(4問)
9. 「薬剤師のスキルアップのための研修制度や勉強会はありますか?」
質問の意図:継続的な学習意欲と専門性向上への関心を示す
効果:向上心があることを強くアピール
使用場面:どの面接でも使える汎用性の高い質問
10. 「認定薬剤師や専門薬剤師の資格取得に対するサポートはありますか?」
質問の意図:長期的なキャリアプランと専門性への投資意欲を示す
効果:プロフェッショナルとしての意識の高さをアピール
使用場面:専門性を重視する薬局や、キャリアアップを目指す場合
11. 「管理薬剤師になるためのキャリアパスについて教えてください」
質問の意図:リーダーシップへの意欲と長期的なコミット意識を示す
効果:責任感と将来への投資価値をアピール
使用場面:管理職を目指している場合、または長期勤務をアピールしたい場合
12. 「他店舗や本部との人事交流や異動の可能性はありますか?」
質問の意図:多様な経験への意欲と柔軟性を示す
効果:視野の広さと適応能力をアピール
使用場面:チェーン薬局の面接で特に有効
【労働条件・働き方】に関する逆質問(5問)
13. 「シフト制の詳細と、希望休の取りやすさについて教えてください」
質問の意図:現実的な働き方への関心を示す
効果:責任感を持ちながらも、ワークライフバランスを考えていることをアピール
使用場面:家庭との両立を考えている場合
14. 「繁忙期(花粉症シーズンなど)の業務量と残業の状況を教えてください」
質問の意図:業務への責任感と現実的な準備姿勢を示す
効果:繁忙期も含めて働く覚悟があることをアピール
使用場面:残業への覚悟を示したい場合
15. 「有給休暇の取得状況と、取得しやすい雰囲気かどうか教えてください」
質問の意図:適切なワークライフバランスへの関心を示す
効果:長期的に安定して働きたい意思をアピール
使用場面:働き方改革を重視する薬局で有効
16. 「土日や祝日の勤務頻度と、代休の取り方について教えてください」
質問の意図:サービス業としての薬局業務への理解を示す
効果:患者サービスを重視しつつ、自身の体調管理も考えていることをアピール
使用場面:ワークライフバランスが転職理由の場合
17. 「育児や介護など、ライフステージの変化に対するサポート体制はありますか?」
質問の意図:長期的な勤務への意思と現実的な人生設計を示す
効果:責任感を持ちつつ、人生の変化にも対応したい意思をアピール
使用場面:30代以上の薬剤師、または既婚者の面接で有効
【会社・店舗の特色】に関する逆質問(4問)
18. 「御社が他の調剤薬局と差別化している点や強みについて教えてください」
質問の意図:企業研究の深さと会社への関心の高さを示す
効果:志望度の高さと企業理解をアピール
使用場面:企業の特色を理解していることを示したい場合
19. 「地域医療における御社の役割や、地域との関わり方について教えてください」
質問の意図:地域医療への理解と社会貢献への関心を示す
効果:薬剤師としての使命感と地域密着型の働き方への意欲をアピール
使用場面:地域密着型薬局で特に有効
20. 「今後の事業展開や新しい取り組みの予定があれば教えてください」
質問の意図:会社の将来性への関心と長期的な視点を示す
効果:成長志向と会社と共に発展したい意思をアピール
使用場面:成長企業や新規事業を展開している薬局で有効
21. 「患者様からよく聞かれる声や、地域での評判について教えてください」
質問の意図:患者満足度への関心と顧客志向を示す
効果:患者第一の考え方があることをアピール
使用場面:患者対応を重視する薬局で有効
【評価・待遇】に関する逆質問(3問)
22. 「薬剤師の評価基準と、昇給・昇格の仕組みについて教えてください」
質問の意図:成果への意識と向上心を示す
効果:目標を持って働きたい意思をアピール
使用場面:キャリアアップを重視する場合
23. 「優秀な薬剤師の方に共通する特徴や行動があれば教えてください」
質問の意図:成功モデルを学ぶ意欲と向上心を示す
効果:積極的に成長したい姿勢をアピール
使用場面:高いパフォーマンスを目指すことを示したい場合
24. 「薬剤師として特に評価されるスキルや行動について教えてください」
質問の意図:評価される行動を理解し、実践する意欲を示す
効果:会社の価値観に合わせて成長したい意思をアピール
使用場面:会社の評価基準を理解していることを示したい場合
【入社後の準備】に関する逆質問(2問)
25. 「入社前に勉強しておくべき分野や、準備しておくことがあれば教えてください」
質問の意図:入社への本気度と学習意欲を示す
効果:積極的に準備する姿勢をアピール
使用場面:面接の締めくくりに使える効果的な質問
26. 「入社初日から円滑に業務に入れるよう、今からできることはありますか?」
質問の意図:即戦力になろうとする意欲と責任感を示す
効果:スムーズな職場適応への配慮をアピール
使用場面:最終面接で内定に近い段階で特に効果的
NG例と注意点:これだけは避けたい逆質問
絶対に避けるべきNG質問の具体例
実際の面接で失敗につながった逆質問の例を見てみましょう:
NG例1:福利厚生ばかりを気にする質問
- 「有給は何日もらえますか?」
- 「ボーナスは何ヶ月分ですか?」
- 「残業代は全額支給されますか?」
なぜダメなのか:仕事内容よりも待遇に関心があると思われ、「給料目当て」という印象を与える
NG例2:調べればわかることを聞く質問
- 「御社の店舗数を教えてください」
- 「設立年を教えてください」
- 「どんな処方箋を扱っていますか?」
なぜダメなのか:企業研究をしていない証拠となり、志望度の低さを露呈する
NG例3:ネガティブな印象を与える質問
- 「前の職場では残業が多かったのですが、こちらはどうですか?」
- 「人間関係で悩むことはありませんか?」
- 「離職率はどのくらいですか?」
なぜダメなのか:不安や不満が先行している印象を与え、ポジティブさに欠ける
実際の失敗事例
27歳の佐藤さん(仮名)は、調剤薬局の最終面接で次のような質問をしました:
「前の職場では土日出勤が多くて大変だったのですが、こちらの休日出勤はどのくらいの頻度でしょうか?また、代休はきちんと取れるのでしょうか?」
一見、合理的な質問のように思えますが、面接官は「前職への不満が強く、また同じ理由で辞めてしまうのではないか」という懸念を抱きました。結果として、不採用となってしまいました。
この質問を改善するなら:
「土日診療のクリニックからの処方箋も多いと思いますが、患者様のために土日対応する際の体制について教えてください」
このように、患者サービスの観点から質問することで、同じ内容でも印象が大きく変わります。
効果的な質問の選び方とタイミング
質問の優先順位付け
面接では通常2-3個程度の逆質問ができると考えておきましょう。以下の優先順位で質問を選ぶことをお勧めします:
1. 必ず聞くべき質問(優先度:高)
- 業務内容に関する具体的な質問(1-2問)
- 入社前準備に関する質問(1問)
2. 状況に応じて聞く質問(優先度:中)
- キャリア・成長に関する質問(1問)
- 会社の特色に関する質問(1問)
3. 時間があれば聞く質問(優先度:低)
- 職場環境に関する質問
- 評価制度に関する質問
面接の段階別戦略
1次面接(人事・現場責任者)
焦点:業務内容と職場環境
お勧めの質問:
- 1日の業務の流れについて
- 薬剤師のスキルアップ支援について
- 職場の雰囲気やチームワークについて
2次面接(管理薬剤師・店舗責任者)
焦点:専門性とキャリア
お勧めの質問:
- かかりつけ薬剤師や在宅医療への取り組み
- 認定薬剤師資格取得のサポート
- 管理薬剤師へのキャリアパス
最終面接(役員・社長)
焦点:会社のビジョンと将来性
お勧めの質問:
- 会社の今後の事業展開
- 地域医療における役割
- 入社前の準備について
質問の自然な流れを作る方法
逆質問は一問一答ではなく、会話として発展させることが重要です:
基本パターン:
- 質問を投げかける
- 答えを受けて、関連する質問を続ける
- 自分の経験や考えを簡潔に織り交ぜる
実際の例:
面接官「当薬局では在宅医療に力を入れています」
薬剤師「在宅医療への取り組みについて詳しく教えてください」
面接官「月30件程度の在宅訪問を実施しています」
薬剤師「素晴らしい取り組みですね。前職でも在宅に興味があったので、ぜひ貢献したいと思います。薬剤師として在宅で特に求められるスキルはありますか?」
このように、一つの話題から複数の質問に発展させることで、より深い議論ができます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 逆質問は何個くらい用意すべきか?
A. 5-10個用意し、面接時間に応じて2-3個選んで質問する
準備段階では、基本質問3-4個、深掘り質問2-3個、予備質問3-4個を用意しましょう。面接時間が30分未満なら2-3個、30-60分なら3-4個、60分以上なら4-5個が目安です。面接官の時間を尊重し、「あと1-2点お聞きしたいことがあるのですが、お時間はよろしいでしょうか?」と確認する配慮を見せましょう。
Q2. 給与や待遇について直接聞いても大丈夫?
A. 聞き方を工夫すれば問題なし。ただし最初の質問にはしない
良い聞き方の例:「長期的にキャリアを積んでいく上で、昇給制度や評価基準について教えていただけますでしょうか?」「スキルアップした場合の処遇改善の仕組みはどのようになっているでしょうか?」
タイミングは他の質問を2-3個した後の3番目以降にし、「長期的に貢献したいので」「安心して働きたいので」といった理由付けをすると良いでしょう。
Q3. 用意した質問が面接中に説明されてしまった場合の対処法
A. 柔軟に質問を変更し、より深い内容を聞く
深掘り質問に変更する例:用意していた「研修制度はありますか?」が既に説明済みの場合、「研修制度について詳しく教えていただきありがとうございます。実際に先輩方はどのような研修を受けられているか、具体例があれば教えてください」と展開できます。
Q4. 面接官の役職によって質問内容を変えるべき?
A. はい。相手の立場に応じて質問を使い分けることが重要
- 薬局長・管理者向け:経営方針、将来性、組織運営について
- 現場薬剤師向け:実際の業務内容、職場環境について
- 人事担当者向け:制度、待遇、キャリアパスについて
Q5. 緊張して用意した質問を忘れてしまいそうな時の対策
A. メモの活用と心理的準備の両方で対策する
「いくつか質問を用意してきたのですが」と前置きしてメモを確認することは問題ありません。事前に鏡の前で質問練習を3回以上行い、最初の質問は一番簡単なものを選ぶようにしましょう。
まとめ:逆質問で転職成功を掴む
逆質問は、面接の中でも最も「あなたらしさ」を表現できる貴重な機会です。単なる情報収集の場ではなく、あなたの薬剤師としての価値観、向上心、そして会社への関心度を伝える戦略的なツールとして活用しましょう。
成功する逆質問の5つのポイント
- 事前準備を徹底する:企業研究を基に、会社特有の質問を準備
- 業務への関心を示す:専門性や患者対応への意欲をアピール
- 成長意欲を伝える:学習やキャリアアップへの前向きな姿勢
- 具体性を重視する:抽象的でなく、具体的で深い質問を心がける
- 相手の立場を考慮する:面接官が答えやすく、話したくなる質問を選ぶ
最終的に大切なこと
逆質問のテクニックも重要ですが、最も大切なのは「この薬局で働きたい」という真摯な気持ちです。表面的な技術ではなく、あなたの薬剤師としての使命感や患者への想いが伝わる質問こそが、面接官の心を動かします。
本記事で紹介した26の質問を参考に、あなた自身の経験や価値観に合った質問を準備してください。そして面接当日は、リラックスして自然な会話を心がけることで、きっと理想の転職を実現できるはずです。
薬剤師としてのあなたの専門性と人柄が十分に伝わる面接になることを願っています。逆質問を味方につけて、新しいキャリアの扉を開いてください。