【薬剤師の転職体験談】人間関係に限界だった30代薬剤師が年収+80万円&定時退社を実現するまで
職場の人間関係に悩む30代薬剤師が、転職で年収80万円アップと定時退社を実現した体験談をご紹介。薬剤師の約40%が人間関係に不満を持つ中、転職成功のポイント、失敗しない職場選び、面接での伝え方まで、データと実例を交えて徹底解説します。

「毎朝、職場に行くのが憂うつ…」「あの人と一緒に働くのがもう限界…」
そんな悩みを抱えながら、転職に踏み切れずにいませんか?
実は、薬剤師の約40%が職場の人間関係に不満を抱えており、転職理由ランキングでも「人間関係」は常に上位にランクインしています。人間関係を理由に転職を考えることは、決して珍しいことではありません。
この記事では、人間関係に限界を感じていた30代薬剤師が、転職によって年収80万円アップと定時退社を同時に実現するまでの道のりをご紹介します。転職市場の最新データ、成功のポイント、失敗しない職場選びのコツまで、あなたの転職活動に役立つ情報をお届けします。
薬剤師が人間関係で悩む理由とは
人間関係は転職理由の第2〜3位
薬キャリ(エムスリーキャリア)が薬剤師498名を対象に実施した調査によると、転職理由ランキングで「人間関係に不満」は第2位(14%)にランクインしています。別の調査でも「人間関係の悪化」が第3位(14.6%)となっており、人間関係の悩みは薬剤師の転職動機として非常に大きなウェイトを占めています。
薬剤師が人間関係に悩む具体的な原因
職場の人間関係に不満を抱く薬剤師は約40%に上りますが、その具体的な理由は以下の通りです。
- 苦手な人がいる(49%):性格が合わない同僚や上司の存在
- 陰口や悪口を言う人がいる(38%):職場の雰囲気を悪化させる要因
- ルールが明確でない(36%):曖昧な業務分担による摩擦
- 協力体制がない(33%):助け合いの文化が欠如
特に調剤薬局は少人数の閉鎖的な環境になりがちで、一度人間関係がこじれると逃げ場がなくなってしまうという特徴があります。
30代薬剤師特有の悩み
30代は薬剤師の中で最も転職が活発な年代です。厚生労働省のデータによると、入社10年目の薬剤師の転職率は全体1位の22%を記録し、30代以上の薬剤師の90%以上が1回以上の転職を経験しています。
30代特有の転職理由としては、以下のようなものが挙げられます。
- キャリア・年収の上昇志向:管理薬剤師や薬局長への昇進希望、スキルに見合った報酬を求める
- ライフステージの変化:結婚・出産・育児、配偶者の転勤、親の介護への対応
- 専門性の追求:がん専門薬剤師などの資格取得、在宅医療への特化
- 会社の将来性への懸念:中小調剤薬局のM&Aによる経営不安定化
【体験談】人間関係に限界だった私が転職を決意するまで
転職前の状況:毎日がストレスの連続
私(仮名:田中さん・34歳女性)は、都内の調剤薬局で7年間勤務していました。入社当初は和気あいあいとした職場だったのですが、3年前に管理薬剤師が変わってから状況は一変しました。
新しい管理薬剤師は細かいことにうるさく、些細なミスでも人前で叱責するタイプ。次第に職場全体がピリピリした雰囲気になり、スタッフ同士の陰口も増えていきました。
当時の状況は以下の通りです。
- 年収:480万円(7年目にしては低い水準)
- 残業:月30〜40時間(サービス残業含む)
- 人間関係:管理薬剤師との関係悪化、同僚との軋轢
- 心身の状態:不眠、食欲不振、出勤前の腹痛
転職を決意したきっかけ
決定的だったのは、ある日の出来事でした。患者さんへの服薬指導中に管理薬剤師から「そんな説明じゃダメだ」と患者さんの前で叱責されたのです。患者さんの困惑した顔、自分の情けなさ…帰り道で涙が止まりませんでした。
その夜、「このままでは心が壊れる」と思い、転職を決意しました。
転職活動の実際:準備から内定まで
ステップ1:転職の軸を明確にする
まず最初に行ったのは、「なぜ転職するのか」「何を実現したいのか」を言語化することでした。
私が設定した優先順位は以下の通りです。
- 人間関係が良好な職場(絶対条件)
- 残業が少ない(月10時間以内が理想)
- 年収アップ(できれば500万円以上)
- スキルアップできる環境(在宅医療に興味あり)
すべての条件を満たす職場はないかもしれませんが、優先順位を決めておくことで、迷ったときの判断基準ができました。
ステップ2:転職エージェントへの登録
転職活動を効率的に進めるため、薬剤師専門の転職エージェント2社に登録しました。複数登録した理由は、エージェントによって持っている求人情報が異なるため、選択肢を広げるためです。
エージェントを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 非公開求人の多さ:全求人の75〜80%は非公開と言われています
- 職場の内部情報:人間関係や雰囲気など、求人票だけではわからない情報
- 担当者との相性:希望をしっかり聞いてくれるかどうか
ステップ3:職場見学で人間関係をチェック
私が最も重視したのは職場見学です。人間関係で失敗したくなかったので、以下の点を必ずチェックしました。
- スタッフの表情・挨拶の有無:笑顔があるか、見学者にも挨拶してくれるか
- スタッフ同士の会話:自然な会話があるか、ピリピリしていないか
- 調剤室・休憩室の整理整頓:余裕のある職場は整理されている傾向
- 患者さんへの対応:丁寧に接しているか
可能であれば繁忙時間帯に見学することをおすすめします。忙しいときこそ、職場の本当の雰囲気が見えてきます。
ステップ4:面接での伝え方
面接で転職理由を聞かれたとき、「人間関係が悪かったから」とストレートに言うのは避けました。代わりに、以下のように伝えました。
「前職では7年間勤務し、調剤業務の基礎を身につけることができました。しかし、チームで協力しながら患者さんに寄り添う薬剤師を目指したいという思いが強くなり、そのような環境で働ける職場を探しています。御社は在宅医療にも力を入れており、スタッフ同士の連携を大切にされていると伺い、ぜひ働きたいと考えました。」
ポイントは、ネガティブな理由をポジティブな志望動機に変換することです。
転職の結果:年収80万円アップ&定時退社を実現
転職後の変化
約2ヶ月の転職活動を経て、在宅医療に力を入れている調剤薬局に転職しました。結果は以下の通りです。
項目 | 転職前 | 転職後 |
|---|---|---|
年収 | 480万円 | 560万円(+80万円) |
残業 | 月30〜40時間 | 月5〜10時間 |
人間関係 | 最悪 | 良好 |
やりがい | なし | 在宅医療で患者さんに感謝される |
年収アップできた理由
年収が80万円もアップした理由は、主に以下の3点です。
- 在宅医療の経験を評価された:前職で少しだけ携わっていた在宅経験をアピール
- エリアを広げた:都心から少し離れたエリアも視野に入れた
- 複数の内定を獲得:選択肢があることで交渉力が上がった
マイナビ薬剤師の調査によると、転職で年収が上がった薬剤師は全体の約65%に上ります。また、年収アップした人の平均アップ額は77万円というデータもあり、+80万円は決して珍しい数字ではありません。
定時退社できるようになった理由
新しい職場では、以下のような工夫がされていました。
- 処方箋枚数の上限設定:1日の処方箋枚数をコントロールしている
- 業務の効率化:調剤補助スタッフとの役割分担が明確
- 残業しない文化:「早く帰ろう」という雰囲気がある
30代薬剤師の転職市場:最新データで見る現実
転職市場は変化している
薬剤師の転職市場は大きな転換点を迎えています。厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、薬剤師の有効求人倍率は2.26倍(令和5年11月)まで低下しています。
時期 | 有効求人倍率 |
|---|---|
平成25年 | 10.05倍 |
平成30年 | 5.84倍 |
令和5年11月 | 2.26倍 |
ただし、全職業平均(1.20倍)と比較すれば依然として高水準です。また、地域差が大きく、地方や過疎地域では依然として人手不足で、年収800〜900万円の求人も存在します。
30代薬剤師の平均年収
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、30代薬剤師の平均年収は以下の通りです。
年齢 | 平均年収 |
|---|---|
30〜34歳 | 564万円 |
35〜39歳 | 614万円 |
職場別の年収比較
職場によって年収には最大200万円以上の差があります。
職場 | 平均年収 | 特徴 |
|---|---|---|
製薬企業 | 700〜800万円 | 30代後半で1,000万円超も可能 |
ドラッグストア | 520〜547万円 | 初任給が高く、管理職で600万円以上 |
調剤薬局 | 492〜584万円 | 店舗により差大、地方中小で高年収も |
病院薬剤師 | 470〜522万円 | 専門性は高いが年収は最も低い |
転職で失敗しないための5つのポイント
1. 人間関係は職場見学で見極める
人間関係のミスマッチは転職失敗の最大の原因です。エムスリーキャリアの調査では、過半数(53.1%)の薬剤師が転職を後悔した経験があると回答しており、その多くが人間関係のミスマッチでした。
職場見学では、表面的な説明だけでなく、スタッフの表情や雰囲気をしっかり観察しましょう。
2. 条件は必ず書面で確認する
「聞いていた話と違う」というトラブルを避けるため、以下の点を必ず書面で確認しましょう。
- 給与・賞与の詳細(基本給、手当、昇給率)
- 残業時間の実態
- 休日・有給休暇の取得実績
- 研修制度・キャリアパス
3. 昇給率も必ずチェック
初年度の年収だけでなく、昇給率も重要です。例えば、初年度600万円・昇給率1%の薬局と、初年度580万円・昇給率3%の薬局を比較すると、5年後には後者が上回る計算になります。
4. 複数の転職エージェントを活用する
転職エージェントによって持っている求人情報や、職場の内部情報が異なります。2〜3社に登録して、情報を比較検討することをおすすめします。
5. 焦って決めない
心身が疲弊した状態での転職活動は、「今より良いはず」と安易に飛びついて失敗しやすいです。まずは休息を取り、冷静な判断ができる状態で転職活動を進めましょう。
人間関係を理由に転職する際の面接での伝え方
NGな伝え方
以下のような伝え方は、面接官にマイナスの印象を与えます。
- 「上司と合わなかった」→ 協調性がないと思われる
- 「職場の雰囲気が悪かった」→ どこでも不満を持ちそうと思われる
- 「パワハラを受けた」→ トラブルメーカーと思われる可能性
OKな伝え方
ネガティブな理由をポジティブな志望動機に変換しましょう。
- 「チームで協力しながら患者さんに貢献したい」
- 「より良い環境で自分の力を発揮したい」
- 「御社の〇〇という理念に共感した」
面接官が知りたいのは、「この人は当社でうまくやっていけるか」という点です。前職の悪口ではなく、新しい職場で何をしたいかを伝えましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 人間関係を理由に転職するのは甘えですか?
いいえ、甘えではありません。薬剤師の約40%が職場の人間関係に不満を抱えており、転職理由ランキングでも常に上位です。心身に影響が出ているなら、環境を変えることは正当な選択です。
Q. 転職回数が多いと不利になりますか?
薬剤師の平均転職回数は2〜3回、30代以上の90%以上が1回以上の転職を経験しています。短期離職(1年未満)の繰り返しでなければ、それほど問題にはなりません。
Q. 転職活動にはどれくらいの期間がかかりますか?
転職エージェント利用時の平均期間は約1ヶ月です。早い人は1〜2週間で決まることもあります。求人数が増える1〜3月、7〜9月が転職に適した時期と言われています。
Q. 年収アップと働きやすさ、両方を実現できますか?
可能です。ただし、すべての条件を満たす職場は少ないため、優先順位を明確にすることが重要です。地方への転職やエリアを広げることで、選択肢が増えます。
まとめ:人間関係に悩んでいるなら、一歩踏み出す勇気を
人間関係の悩みを抱えながら働き続けることは、心身に大きな負担をかけます。私自身、転職を決意するまでに時間がかかりましたが、今では「もっと早く動けばよかった」と思っています。
転職で大切なのは、以下の3点です。
- 情報収集の質を高める:複数の転職エージェントを活用し、職場見学は必ず実施
- 転職の軸を明確にする:「なぜ転職するのか」「何を実現したいのか」を言語化
- 条件は必ず書面で確認:昇給率・残業時間・研修制度の詳細まで確認
薬剤師の転職市場は変化していますが、適切な準備と戦略があれば、年収アップとワークライフバランス改善の両立は十分可能です。
もし今、人間関係に悩んでいるなら、まずは転職エージェントに相談してみることをおすすめします。今すぐ転職しなくても、「選択肢がある」と知るだけで気持ちが楽になることもあります。
あなたの転職が成功することを願っています。